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2006年07月13日

●仮復活

  実際、抜いてみたら、思ったほど大きな物ではなかった。骨に組み込まれている時は、違和感がずっとあったし、重さも感じた。時折、皮の下から、突き破ってくる激痛も有ったし、冷えた金属を触っている感覚もあった。しかし、実際、抜いてみたら、大した物でもなかった。手術室で30分程で抜けた。それでも、なかなか抜けなかった様で、抜かれた時は、錆びた釘を釘抜きで、擦れ合うような音を立てて、抜かれた様な感覚だった。
  一発目が抜かれた時は、妙に可笑しくて、声を殺して笑った。看護婦と目が合って、照れを隠したが、込み上げる嬉しさが、それを止められなかった。二発目は、なかなか抜けず、自ら体を捩じ(ヨジ)らせ、引張り上げられる様に抜いた。その瞬間、肩がスッと軽くなり、内部から込み上げる鈍痛が、ただの切傷痛に変わっただけだった。
  その後、糸で縫われ、ホッチキスで閉じられ、消毒をしてもらい、ガーゼも張っ付けられた。手術台から降り、両腕を伸ばしたまま、頭の上で合わせる事が出来た。ニヤケ過ぎると格好が悪いので、あくまで平静を装ったが、あまりにも嬉しすぎたので、右腕をしていたら、ガーゼが取れそうになって、注意をされた。そんなことは全く気にもせず、さっさと、無機質な手術室から出たくて、出たくて、もう、この建物からオサラバしたかった。しかった。

  術前の血圧測定の時に、一人の看護婦に、「頑張ってな。」と言われた。「歯医者で歯抜くみたいなモン。」と強がりを言って、引きつった笑顔でごまかした。その看護婦に、抜いた物を見せようとしたが、もういなかった。術前の"チカラ"みたいな物を貰った、お礼"の様な事"をしたかった…。 が、兎に角、俺はのどがいて、缶コーヒーが飲みたくて、建物から出た。建物から出たら、携帯にメールが入っていていて、手術結果を心配したもが多かった。ブログからの書込みの知らせもあった。"あーなんか、独りじゃねーなー"って。アザッシタ

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